私の嫌いな学校

学校

 前回の「附属小学校は成功しない」の中で、立命館では中学入学後6年間の間に偏差値が30も落ちると書きました。

 立命館中高は地理的には稲荷塾に最も近い学校ですが、考え方が近いとは言えず、いい印象は持っていません。嫌いな学校の一つです。

 成績が下がると言えば、同志社も同じで、入学後、学力レベルは急激に下がっていきます。

 勉強しなくても同志社大学に入れるという環境の中で、努力や自己管理を重視する文化は生まれません。

 仮に外部の大学へ進学したいと思って勉強し始めても、勉強しないのが当たり前という学校の雰囲気の中で、頑張る意志を貫くのが難しくなります。

 ここで、少し歴史を振り返っておきましょう。

 中学受験熱が高い京都にあって、20年以上前には、優秀な女子生徒が進学する中学がなかったので、神戸女学院や四天王寺まで通うか、長い通学時間を嫌う場合は同志社が選ばれました。そういう事情で、当時は同志社にも外部の大学を目指す生徒が一定数含まれていました。

 しかし、1999年に堀川に探究科が設置された後、高校受験という選択肢が生じたこと、それと2004年に西京、洛北という公立中高一貫校ができ、2006年に洛南が共学化されたことで、優秀な女子生徒が同志社に進む理由がなくなりました。

 2017年には高槻も共学化され、その流れは加速しています。

 結局、優秀な女子生徒は同志社には行かなくなりました。

 

 私が思うに、中高生の思考力が柔軟なときに、高校数学を飲み込むために頭をひねることは楽しいことであり、それは必ず彼らのためになるはずです。

 また、大学受験という目標のために長期計画を立て、気持ちが上がることもあれば下がることもある中、自己管理して努力を継続したとすれば、それは彼らの大きな財産になるでしょう。

 だからこそ、塾を運営しているわけですが、こういった価値観を同志社とは共有することができません。

 同志社は緩いです。ゆるゆるです。

 じゃあ、勉強以外のことには一生懸命なのかというと、そうでもありません。前回の「附属小学校は成功しない」のところでも書きましたが、楽して結果が得られることを知った生徒たちはクラブ活動等にも真剣になれないという傾向を持ちます。

 その他、先生は組合活動に熱心で、定時に帰ってしまうといったような生徒からの不満も耳に入ってきます。

 今回のタイトルは「私の嫌いな学校」で、嫌いな学校はいくつかありますが、他を大きく引き離して最も嫌いな学校が同志社です。それぐらいひどいということです。

 もちろん、生徒が嫌いなわけではありません。同志社が生徒の可能性を潰している(ように見える)ところが嫌いなのです。

 同志社と立命館は大学の附属中高で、これが嫌いなパターンの1つ目です。

 

 もう1つ、文化の分裂というパターンもあります。これは嫌いといっても、「賛同できない」程度のものですが。

 成章高校にはゼネラルとアカデミーというコースがあり、スポーツ等で実績を上げることを目指すグループと、大学への進学実績を上げることを目標にするグループに分かれます。

 アカデミーのやり方は極端で、最近は少し緩和されたと聞きますが、夜の7時ぐらいまで授業があり、10時ぐらいまで学校に残って勉強させるというようなことをしていました。これがダメなことは論じるまでもありませんが、私が良くないと感じているのは同じ学校の中に異なる目標を持ったクループが存在することです。

 1つのグループがスポーツで実績を上げ、もう1つのグループが大学への進学実績を上げたとしても、それを文武両道とは呼びません。それに、全く違う方向性を持った複数のグループが存在すること自体が学校としてのまとまりを欠きます。

 学校宣伝のための駒のように生徒を扱っていると見えてしまいます。

 これと似ているのが東山中学と東山高校です。中学から入る生徒は大学受験を目指し、高校から入る生徒は主にスポーツで実績を上げることを目指しています。中学から入った生徒と高校から入った生徒は違う学校の生徒のように見えます。

 中高で文化が異なると言えば、洛北もそうです。

 洛北と西京は同じ時期に作られた公立中高一貫校です。もちろん、大学への進学実績を目標として設置されたわけですが、設置当初からかなり長い期間にわたって洛北が先行していました。しかし、近年では西京に逆転された感があります。

 西京中学では、高校から入ってくる生徒との進度を合わせるために、わざと進みを遅くして調整しています。中高一貫校のメリットを放り出すようで、損をしていると思いましたが、中高の文化を統一するという面では成功しました。それが学校としての一体感を生み、いい雰囲気を作っていると言えます。

 ところで、成章のアカデミー、東山のユリーカ等は洛南の真似です。洛南にはかつて自動車科があり、学力的に公立高校に行けない生徒が通う学校でしたが、特待生制度を作って、頑張る生徒を集め、少しずつ実績を伸ばす中、大変貌を遂げました。この成功物語に続こうとする学校は多いのです。

 洛南には大きな組織とは思えないような機動力があり、どんどんと改革を実行していきます。

 スポーツクラスを作って実績を出すことで(桐生君とか)、学校の知名度を上げる方法もその1つで、これをそっくりそのまま真似しようとしている学校もたくさんあります。

 ただ、洛南が附属小学校を作ったのは失敗でした。ただでさえ中高の文化の統一ができず、高校から入った生徒がなかなかいい大学に受からないという現実に苦しんでいるのに、そこに小学校から上がってきた生徒が加わり、しかもその8割が落ちこぼれているというのでは大混乱です。

 少し補足しておきます。

 「中学受験 vs 高校受験」で書いたように、中高一貫校と高校受験をして入る高校では課題が違います。ですから、洛南の場合、中学から入っても高校から入っても大学受験という同じ目標に向かっているわけですが、それでも両者の文化の統一は難しいのです。

 結果として高校から入った生徒が苦戦することになります。どの程度苦戦しているかを示す数字は発表されていません。しかし、その状況を多くの人が薄々と感じており、高校受験で堀川と洛南の両方に受かった受かった生徒はほぼ100%、堀川に進学します。

 こういう事情で洛星は2013年に高校入試をやめ、東大寺も2024年にやめました。中高の文化の統一は簡単ではないのです。

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