附属小学校は成功しない

学校

 塾の場合、学年によって集まる層や人数が変わるので、コンスタントに合格実績が出るわけではありません。

 そういう上がり下がりの中で、今年は過去最高の合格率でした。

京大医学部医学科2人、京大理学部1人、京大工学部情報2人、京大経済学部1人、東大文Ⅲ1人  京都府立医科大学医学部医学科1人、阪大工学部2人、阪大薬学部1人、阪大経済学部1人    阪大法学部1人、阪大文学部1人、名古屋大学農学部1人、京都工芸繊維大学工芸科学部1人

 前期の合格率は在籍者20人中16人でちょうど8割でした。

 2025年度で工夫したことは、プラスアルファーの演習問題を作って授業日以外の日に自由に来て演習できるようにしたことで、特に文系の諸君が数学で点を稼げる要因になったと思います。

 それと、京大医学部コース:演習3クラスの生徒が受験に臨む初年度でした。

 これはクラスと言っても、個別で対応するもので、高2の終了時点で京大の工学部に合格できる程度の学力を身につけた3人の生徒が在籍していました。3人はそれぞれ京大医学部、京大理学部、京都府立医科大学に合格しました。

 

 2026年入試の総括をしたところで、今回は中高一貫校が附属小学校を併設した場合、上手くいかないことについて書こうと思います。

 小学校教育から中学校教育への流れが上手く機能しているところは、全国的に見ても一校もないそうです。

 一般的に中学受験を通して外部から入学してくる生徒の方が学力が高く、附属小学校は英語や中学数学を先取りしてその差を埋めようと試みるけれども、そうしたリードはあっと言う間に食いつぶされてしまうということです。

 たとえば、立命館小学校からは120人の生徒のうち諸事情により10人ほどが外部に出ますが、基本的に全員が立命館中学校に上がります。もちろん、例外はあるものの、これらの生徒は中学から入って来た生徒と同じクラスで授業をするのが難しいレベルだと聞きます。

 同様の問題が立命館大学とその附属高校の関係にも存在しています。

 立命館中高には、立命館大学にはない医学部等に進学するためのメディカルサイエンスコースというものがありますが、実際に国公立大学医学部に進学できるような生徒は滅多におらず、どんな学部でもいいから京大等の名がある大学に進学することを目指すのが現状です。名称も最近ではメディカルサイエンスコースとは言わず、MSコースと呼ぶのが一般的になっているようです。

 これは明らかな矛盾です。

 立命館の主張は、立命館大学がいい大学だから、そこに進学するための学力や文化を身につけるために立命館中学・高校を作ったということのはずなのに、一体なぜ外部を目指すのか。

 さらに言えば、受験を必要としない立命館の生徒が勉強をしないことも大きな問題です。中学入学時から高校卒業時にかけて、偏差値が30も落ちるって異常だと思いませんか?

 特に理系の生徒は大学に入ってから授業に全くついていけなくなり、大学の先生も附属高校出身の学生を嫌います。

 楽をして結果が得られる、すなわち受験勉強をしなくても大学に入れることを知った生徒の多くは、クラブ活動等にも真剣になれません。

 立命館では外部に出るためのクラスは上手くいかず、立命館大学に上がるクラスも機能しないという状況に陥っているのです。

 中高一貫校の附属小学校の話に始まり、大学の附属中高の問題についても書きましたが、要するに「附属」はダメだということではないでしょうか。

 

 もう一つ、洛南についても書いておきましょう。

 洛南では、附属小学校出身の生徒は中学に入ってから8割が落ちこぼれています。

 洛南は誰もが知る通り、学力の成績を重視する学校です。

 しかし、小学校に入学するときにそういう文化に馴染むかどうかが分かるはずはなく、洛南小学校の生徒はいろんな方向に向かって進むことになります。

 それなのに、全員を洛南中学に上げるとどうなるか?

 8割が落ちこぼれる、これは当然の結果です。

 ん?

 2割が馴染むのであればすごい率じゃないかってか?

 確かに、一般の小学校からであれば、2割の生徒が洛南中学に進学してついていくことはできません。

 しかし洛南の先生たちは、泳げている2割を見てよしとすることができず、残る8割を何とかしたいと考えるのです。大量の落ちこぼれを抱えた現状は、まずすぎるというわけです。

 ですが、これを改善する方法は存在せず、洛南中学から洛南小学校の先生に「しっかり準備させてほしい」との要求が下りるのではないかと想像します。

 洛南小学校からすると、中学に上がった2割の生徒が上手くやっているだけでもすごいことなので、これ以上の改善策はありません。やっていることは、苦戦している生徒に対して点を取るためのやり方を教えることですが、これは、付け焼刃の措置に過ぎず、本質的解決には至りません。

 結局、残された唯一の方法は、小学校から中学校に進級する基準を設けることですが、洛南中学に上がれると約束して小学生を募集しているので、その方法が採用されることはないと思われます。

 

 立命館と洛南を例に挙げて、附属小学校が上手くいっていないことについて書いてきましたが、 これは附属小学校を併設したという構造上の問題で、上記2校に限るものではないと考えられます。

タイトルとURLをコピーしました