京大理科で7割以上の得点をする方法

京大

 前回、「京大医学部受験について」のところで、「小さな数学塾のヒミツ」に載せた理科の勉強法についてのコラムを転載すると書きました。

 これは、京大の工学部、理学部、農学部、薬学部を念頭に書いたものであり、医学部については多少計画を早める必要があります。

 しかし、やり方や考え方は同じです。

 理科の勉強法の核は2つあり、1つ目は高3の夏休みに数研の「重要問題集を2巡する」ことだ。

 その前提として、高3の夏休みの前に理科の全範囲を終わらせておくことが必要になる。

 そうじゃないと重要問題集による演習が始められないということだが、学校の授業で夏休み前に全範囲が終わらないのであれば、その終わらない部分を自力で終わらせる必要がある。手っ取り早い方法は、旺文社の基礎問題精講を使い、問題文を読んだらすぐに解答を見る、解答を理解するために参考書を使うというやり方だ。

 これをすれば、基礎事項が頭に入り、入試でどのようなことが問われるのかを感覚的に理解することができ、学校で習い終わったのに近い状態を作ることができる。

 基礎問題精講を使うのは問題数が少なく、解説が比較的丁寧なので、労力的にも時間的にも負担が軽くて済むというメリットがあるからだが、ほかに気に入った問題集があれば、それを使ってもよい。

 これで重要問題集への準備ができるわけだ。

 理科2科目は大体、化学・物理で受けるか化学・生物で受けるかの2択だ。ごくまれに地学を選択する生徒もいるが、やり方はほぼ同じだ。

 それで、重要問題集に含まれる問題数は化学が272問、物理が156問、生物が143問となっており、化学・物理で受けても化学・生物で受けても、400問以上を40日で2巡することになる。1日で約23問ということになるが、仮に1問を15分でしたとしても6時間はかかることになり、1問20分で計算すると1日に8時間、理科の勉強をするということになる。いずれにしてもかなりのハードワークだが、これをやり切ると標準的な入試問題が解けるようになる。

 以上が夏休みにおける理科の勉強だが、夏休みは学校の授業がなく、1日を受験勉強のみに使うことができるので、上手く実行すれば非常に大きな効果を生み出すことができる。その方法を考えておこう。

 まず、普通に勉強していると、特に理系科目の場合は問題が解けないと眠気に襲われ、能率が落ちる。私自身、これで苦労した。眠くなると逆立ちをしてみるとか、息を止めてみるとか、思い付くことは何でもやってみたが、劇的な効果があった方法はたったの1つしかない。

 計画を立てることだ。1時間勉強して5分休む、これを1ラウンドとして、1日の最初に各ラウンドですることを書いた表を作り、1時間ごとに勝ったか負けたかをはっきりさせて、5分休憩を取るということを繰り返す、これが唯一、眠気を克服し、能率を上げるために効果のあった方法だ。これにより、1ラウンド1ラウンドが勝負になり、不思議な興奮と共に集中力が続いた。

 この方法を使って、私は1日13時間勉強した。13ラウンド闘ったという意味だ。塾の卒業生たちは口をそろえて「初めは多いと思ったが、案外、普通に実行でき、頑張ればもっとできるはずだ」と言っている。

 夏休みに重要問題集を2巡すれば、9月からは1人模試を始める。これが理科の勉強法の核の2つ目だ。

 実際の入試問題は1問1問が非常に長く、前半でいろいろな知識などが問われて、最後の計算問題につながっていくというパターンが多い。

 長い問題を細分化して、1問1問を取り組みやすい長さにして重要問題集が作られていて、これを通して必要な知識が蓄積されていく。しかし、重要問題集による演習だけだと実際の長い問題に面食らってしまう。

 だから、京大・東大の問題形式に慣れ、理解のレベルをもう一段階上げ、長い問題の途中で止まってしまわないようにする必要があり、それが1人模試だ。

 もう少し具体的に説明しよう。1人模試をすることには2つの目的があり、1つ目は理科2科目に取り組む順序と時間配分の特性を知ることだ。あまり本質的なことのようには見えないが、案外重要だ。2科目を得意な方からするのか、苦手な方からするのか、それだけでも得点が変わるからだ。時間配分を半々にするのか、一方により時間をかけるようにするのかによっても点は変わる。これだけは実際にやってみないと分からないので、2、3回1人模試をする中で自分に合った方法を見つけることになる。

 2つ目の目的は自分の弱点を見つけることだ。弱点とは、理解が不十分なところはもちろん弱点だが、想定以上に時間がかかるところも弱点だ。これを見つけて、次の1人模試までに潰しにいく。

 これが1人模試の概要だが、模試を収録した本には簡単な配点も書いてあるので、1回1回、大体の得点を出しておくことも重要だ。そうすれば、得点の推移を見ることもでき、成長を実感できる。

 それでは1人模試のやり方を説明しよう。過去の冠模試を収録した問題集が毎年出版されるので、1冊ずつ買う。実戦模試は3回分収録されており、オープン模試は4回分収録されている。ただ、京大オープンについては化学と物理しか入っていないので、化学・生物で京大を受験する場合は使うことができない。だから、基本的にはこの2冊で7回の1人模試ができ、化学・生物で京大を受験する場合は3回できることになる。

 これを使って、京大なら180分、東大なら150分を測って1人模試を実行する。平日にはこれだけのまとまった時間を確保しにくいので、実行日は日曜日になるだろう。

 では、1人模試は何回ぐらい実行すればよいのだろうか。

 9月から毎週日曜日に1人模試をして行き、2月になると基本的に学校の授業がなくなるので、毎日でも1人模試をすることができる。となると、理論的には30回とか、あるいはそれ以上の1人模試をすることができるが、11月には重要な模試が重なり、日曜日が潰れることもあるし、共通テストの直前も1人模試をする気にはならないだろう。だから、目標として20回の1人模試をすると決めるのが妥当なところだろう。正直言うと、10回もやれば、間違いなく効果が出ると思う。だけど、念には念を入れて、20回の1人模試をお勧めする。

 すると、1人模試をするための問題集が足りなくなるので、我々の塾には、大量の貸し出し用の本が準備されている。借りるところがなければ、冠模試の過去問はネットで買うこともできる。

 最後に、1人模試を9月から始めることの意義を説明しておこう。

 京大・東大受験を考えている受験生のほとんどが受ける模試として河合塾のオープン模試と駿台の実戦模試があり、冠模試と呼ばれている。オープン、実戦はそれぞれ8月と11月に実施され、結果は約1か月後に返却されることになる。

 8月の段階では、浪人生が特に理科で強く、現役生はなかなかよい判定が出にくい。それは仕方がないが、11月の冠模試は12月に判定が返ってくるので、この結果が悪いとかなり落ち込むことになる。だから、9月から1人模試を始め、京大・東大の問題に慣れることにより、11月の冠模試で、ある程度の勝算を掴めるようにしたいというわけだ。

 冠模試での目標は5割以上の得点をすること。偏差値や順位より、どれだけの点が取れたかの方がずっと重要な指標になる。冠模試の方が本番より少し難しいということもあるし、11月の冠模試で5割取れれば、2月の入試本番で7割以上取れる可能性が高まる。最低でも、8月の冠模試と比べて11月は大きく成長しているという実感がほしい。これが9月から1人模試を始めることの意義で、1人模試の開始が遅れれば遅れるほど11月の冠模試で成果を出しにくくなるということだ。

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