学んでいるのに学んでいない生徒がいます。
要するに、学んだことがどんどんとこぼれていって、次の学習の基盤にならない子です。
私が思うに、こういう傾向を持つ子は2つのタイプがあり、1つはモチベーション欠如型で、もう1つは新しい知識を受け入れるための土壌が肥沃になる前に次に進んでしまう焦り型です。
学びに対するモチベーションが低いということは、そこに心がないということであり、当然のことながら理解は浅くなります。
では、どうしたら学習に対するモチベーションを高めることができるのでしょうか?
これは非常に難しいテーマであり、すぐに良い方法を示すことができません。
そこで、今回は「焦り型」について考えてみようと思いますが、このタイプも築かれているはずの基礎がすべて流れ出しており、その上には何も積み上げることができないような状況になっています。
たとえば、漸化式を立てて考える確率の問題で、漸化式を立てるトレーニングをしようと思っているのに、漸化式自体が解けないのでは話になりません。
誰に対しても、そういう「抜け」は起こり得るもので、それを発見すれば、ただちに潰しにいけばいいのですが、抜けだらけでは、やらないといけないことが多過ぎると感じ、焦っているうちに時間だけが過ぎていくのです。まるで溺れているような状況です。
稲荷塾では京大・東大に合格するためには高校課程を修了した後、2年間の演習をするべきだと考えており、それができるようにするためのシステムを作ってきました。
中心的な考え方は、授業の無駄を無くし、半年で数ⅠA、数ⅡB、数ⅢCを学べるようにしたことです。
反転授業です。
さらに、これを可能にするための教材も稲荷塾の大きな特徴になっています。
反転授業は画期的な方法であり、特に高校受験をして高校生になってから高校数学を学び始める諸君が2年間の演習期間を確保できるようになったことは福音です。
ところが、半年で数ⅠAを学んだとき、数ⅡBに進むための合格点が取れない生徒がいるのです。数ⅡBに進むための基準は3回の単元テストの平均点が50点以上であり、これは全統高1模試で偏差値70程度に相当します。
合格点が取れないと、もう一度数ⅠAを学び直すことになりますが、そうすると2年間の演習期間を確保するという計画に遅れが生じます。
ということで、たとえば3回の単元テストの平均点が40点台だったというような惜しかった場合は、数ⅠAの復習をしっかりするという条件を付けて、数ⅡBに進むことにしているのですが、上手く機能しないことの方が多いです。
いわゆる「焦り型」に陥るのです。
そもそも、数ⅡBに進むための合格点が取れなかったということは、数ⅠAに対する取り組みが甘かったということであり、それを改善する必要があります。
その上で数ⅠAの復習をするのは容易なことではないのです。
気合を入れて、最低3カ月は頑張り抜く覚悟でやってほしいです。
注意すべき重要な点は、一からやることです。
膨大に見える内容でも、一つ一つこなしていけば、必ず目標に到達します。目安は「3カ月頑張る」ということです。
そうでないと「焦り型」の特徴が加速されて、どんどんと学習効率が落ちていってしまいます。
今回は厳しい話になってしまいました。「焦り型」に陥ったまま、演習1クラスまで進んでしまい、苦戦し続ける生徒の姿を目の当たりにし、どうしてこんなふうになってしまったのだろうなどと思いつつ書いたのが原因だと思いますが、、、

