最近の出来事で、すごく飲み込みがよいと思った子が、次の授業で前回学んだ内容をきれいさっぱり忘れているということがありました。
通常、飲み込みがよいということは、頭が柔軟であることを意味し、そういう子は数学の論理を深く理解しているはずですから、学んだことを簡単には忘れないと考えられます。
ところが、前述の子は驚くほど忘れ去っていたのです。たった5日ほどの間にです。
もちろん、これは例外的出来事ですが「飲み込む」と「定着させる」は違うということを意味しています。
昔、全く逆のケースがありました。
マロンというあだ名の生徒は、中2のとき、全体的成績はよいものの、数学が足を引っ張っていて洛南で真ん中ぐらいの順位にいました。
飲み込みはあまりよくなく、時間がかかる上に、ようやく理解したのかと思うと、勘違いをしていたりして、大苦戦の連続でした。
しかし、彼が中3になり、数ⅡBに入ると状況が変わり始めました。数ⅡBは覚えることが多く、それらを覚え切った上で使えるようにすることが要求されますが、マロンは「覚える」が得意だったのです。
そうしているうちに彼の成績は上がり、成績が上がると楽しくなってくるので、ますます頑張るというサイクルに入りました。高3になったころには、むしろ数学で点を稼ぐようになり、洛南でトップ10にも入り、府立医大に合格しました。
飲み込みが悪くても定着のためのシステムを作ってしまえば勝てるという典型例になったのです。
話を最初に書いた生徒に戻すと、飲み込みがよいのは恵まれたことで、有利な立場に立っているということですが、それだけで勝てるわけではありません。特に数ⅡBは覚えるべきことが多過ぎて、少々頭がいいぐらいでは対処しきれません。
当然ながら、覚えていないと使うことができません。
「定着のためのシステム」を作るべきです。忘れる前に復習するとか、復習ノートを作るとか、自分に合った方法を見つけて実行すべきです。

