やった方がいい、やるべきだ、と思ったことを実際に実行するのは、そう思った人のうち20%にも満たないのが現実です。
実行できない理由が分からないでもありません。
もう少し余裕ができたら始めよう、などと思っているうちに気持ちが薄れてしまうからです。
それにしても、実行する人の率が低すぎると思いませんか?
やろうと思ったことにはすぐに手を付けるべきです。
また、何かを始めると、必ず何らかの困難が生じますが、それを乗り越えていくことを楽しむメンタリティも必要になってきます。
途中入塾の生徒が、たとえば数ⅡBから始めるとして、数ⅠAの復習もしておいた方がよいということで、小テストや演習問題を準備して、授業日以外に塾に来てそれをこなす約束をしたとしましょう。
塾はこういった補習のために週に2回来ても、あるいは3回以上来ても授業料以外の費用は発生しないというシステムにしています。本人が頑張ろうとする気持ちを応援したいからですが、この復習計画を実行できる生徒は5人に1人もいません。
実行力を高めるべきです。
そして、やろうと思ったことを実行する姿勢は、勉強だけに通用することではなく、どんな分野にでも適用できますし、大人になってからも重要であり続けると思うのです。
そこで一つ提案すると、やろうと思ったことは口に出して言ってしまうのがいいと思います。そうすると実行力が上がります。ブログに書くのでも構いません。
言ったのにやらなかったらかっこが悪いので、やる気の維持につながります。
私はこの方法で「最短でマスターする数学」を書きました。
書き始めてから完成するまでに10年以上かかりました。
一番大変だったところは出版社選びです。初め、講談社のブルーバックスから出すという話が進んで、いいところまで行きましたが、「鉛筆を持たないで読める科学に関する読み物を作る」というブルーバックスの方針と、それでは参考書として機能しないという私の意見が食い違い、最終的にダメになりました。
すると突然、暗礁に乗り上げたような状態になったのです。数研や東京書籍、旺文社といった大手は内部に執筆者を抱えているか、あるいは既に名前のある筆者しか採用しないことになっていましたし、大手でないところも、売れるかどうかが分からないようなものには警戒心が強く、なかなかその壁を突破することができなかったのです。
そこで、私の取った作戦は、エッセー「小さな数学塾のヒミツ」を出して名前を売るというものでした。これ自体が成功率の低い作戦でしたが、奇跡的に上手くいき、週刊東洋経済に取材記事が載りました。

それが教育書「頭のいい子には中学受験をさせるな」の出版につながりました。これも一定の反響があり、プレジデントファミリーに取材記事が掲載されました。

そしてその直後、教学社から「最短でマスターする数学」の出版について、やりましょうとの返事をもらったのです。つまり、作戦は成功だったのです。
諦めそうになったことは何度もありましたが、やり抜くことができてよかったです。
出版された本が本屋に並んだときは至福の瞬間でした。
テニスの仲間からは、「いつも遊んでるように見えるのに、一体いつ書いていたのか」などと驚かれ、それも嬉しかったです。
言ったことを成す。
私の場合、名前が「誠」なので、自然と気に入った方針になりました。
