同じものを含む円順列

数学

 同じものを含む円順列の個数を数えるのは簡単ではありません。

 今回は2種類のものでできる円順列の数え方について考えてみようと思います。

 まず、簡単な例としてA3個、B2個の計5個で作られる円順列の個数を考えてみましょう。

 A3個が隣り合うものが1通りで、Aが2個と1個に分かれるものも1通りで、計2通りの円順列があることが確認できます。

 これを次のように考えるとどうでしょうか?

 1つの円順列に切れ目を入れて1列に延ばすと、切れ目の入れ方が5通りなので、できる順列の個数は円順列の個数の5倍になると考えられます。

 実際、A3個、B2個を1列に並べる順列の個数は、5つの場所からB2個の場所を選ぶ選び方だけあり、C=10通りですから、求める円順列の個数は 10/5=2 通りになります。

 正しい答えが得られましたが、この考え方は危ういです。

 採点する側からすると、分かっているのか分かっていないのかが判別できず、結局、点をあげることができない答案になっています。

 どこが危ういのでしょうか?

 試しに、A4個、B2個で作られる円順列の個数を考えてみましょう。

 これを1列に並べる順列の個数は 6C2=15 通りです。15を6で割ると整数にはなりません。つまり円順列の個数が1列に並べる順列の個数の1/6倍になっていないということです。

 A3個、B2個の円順列のときと、A4個、B2個の円順列では何かが違うのです。

 非常に気付きにくいところなので、A4個、B2個を1列に並べる15通りの順列を具体的に書き出してみましょう。

AAAABB、BAAAAB、BBAAAA、ABBAAA、AABBAA、AAABBA の6通りは両端をつなぐと、A4個が隣り合う同じ円順列になります。

AAABAB、AABABA、ABABAA、BABAAA、ABAAAB、BAAABA の6通りも両端をつなぐと、A3個が隣り合う同じ円順列になります。

ところが、残る3個は AABAAB、BAABAA、ABAABA となっており、両端をつなぐと、Aが2個2個に分かれる1つの円順列になります。逆に言うと、この円順列に切れ目を入れて1列に延ばしても、6通りの順列を作ることができず、3通りの順列しか作れないということです。

 結局、A4個、B2個で作られる円順列は3通りです。A4個、B2個を1列に並べる順列15通りとの対応を考えると、15通りを上記6通り、6通り、3通りの3つのグループに分けたとき、それぞれから1個ずつの円順列が作られるということです。

 なぜこのようなことが起こるかと言えば、4と2が互いに素ではないからです。4と2の最大公約数は2で、A4個、B2個を2分割して、AAB、AAB のような同じ並びの2つのかたまりを作ることができます。すると、この2かたまりをつないで円順列を作ると、これに切れ目を入れて1列に並べると、6つの切れ目の入れ方のうち、同じ順列が得られる切れ目の入れ方が2組ずつあることになり、結果として3つの順列しか得られません。

 もとに戻って、A3個、B2個の円順列の場合、「3と2が互いに素だから、1つの円順列から5個の順列が得られる」ことを理解した上で、順列 C 通りを5で割るという解答なら正解です。しかし、式のみの解答であれば、おそらく、こういう複雑な状況を理解してはいないだろうと思うので、点をあげることができないのです。

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